入れ歯を快適に使用するためには、入れ歯を適切に装着することが重要です。入れ歯の正しい入れ方を守ることで、安全に入れ歯を使用できます。
ここでは、入れ歯装着の前準備から装着手順、そして気になる違和感への対処法までを詳しく解説します。
入れ歯を入れる前の準備
入れ歯を入れる前に、下準備が済んでいるか確認しましょう。
口腔内の清潔を保つ
入れ歯を装着することで、口腔内の自浄作用(じじょうさよう)は低下し、汚れがたまりやすくなります。入れ歯を入れる際は、まず口腔内の清潔を保つことが大切です。
食事の際の口腔の運動によって、食べかすや汚れなどが自然と取り除かれること。
部分入れ歯を装着している方は、しっかりと歯磨きをしてから入れ歯を装着します。総入れ歯の方は、スポンジブラシなどで口腔粘膜をブラッシングしましょう。
特に、部分入れ歯の鉤歯(こうし)は磨きにくいことが多いです。他の歯よりも入念に歯磨きをしましょう。

入れ歯を清掃する
入れ歯を清潔にすることも重要です。義歯ブラシによるこすり洗いと、入れ歯洗浄剤による洗浄を行いましょう。部分入れ歯のクラスプ周囲や、入れ歯の内面は磨き残しが多いポイントです。
入れ歯の清掃を怠ってしまうと、口腔内でも細菌や真菌が繁殖しやすく、義歯性口内炎(ぎしせいこうないえん)などを引き起こすことがわかっています。
清掃後は入れ歯をしっかりと水で洗い流し、汚れや洗浄剤を取り除きます。
正しい入れ歯の入れ方
入れ歯には正しい入れ方があります。本項では正しい入れ歯の装着方法を解説します。
入れ歯の向きなどを確認する
入れ歯を装着する際に確認しなければいけないのは以下の3点。
- 上下のどちらに装着するか
- 入れ歯の裏表
- 入れ歯の前後
総入れ歯ではわかりやすいですが、小さな部分入れ歯の場合は向きがわかりにくいです。誤った向きで装着すると、入れ歯が浮き上がりますので、無理に押し込まないようにしましょう。
入れ歯をゆっくりと指で入れる
入れ歯を装着する際は、ゆっくりと指で入れることを心がけましょう。指を使わずにかんで入れ歯を入れてしまうと、歯ぐきを傷つけたり、入れ歯を変形させてしまう危険があります。
総入れ歯では人工歯の上から指で押さえ、部分入れ歯ではレストを上から押さえます。


入れ歯装着直後は、スムーズな着脱が難しいこともあります。その際には、洗面台などの大きな鏡の前で、口腔内を見ながら装着すると良いでしょう。
噛み合わせを確認する
入れ歯を装着した後は、かみ合わせを確認し、いつもの位置に入れ歯が戻っているか確かめます。
いつもと違う違和感がある場合の対処法
もし入れ歯を装着した際にいつもと違う違和感を感じた場合、無理に使用せず、一度入れ歯を外します。前述した入れ歯の下準備や入れ歯の向きなどに間違いがないかチェックします。
それでも違和感が続く場合は、すぐに専門の歯科医へ相談することをお勧めします。