【歯科医師執筆】ポリグリップパウダー無添加の特長│粉末タイプの使い方と価格

ポリグリップパウダー無添加のサムネイル
遠藤眞次
この記事の執筆者
歯科医師兼歯科専門ライター。東京都池袋の「グランドメゾンデンタルクリニック」で診療しています。

「ポリグリップパウダー無添加」は、ポリグリップシリーズの中で唯一の粉末タイプの入れ歯安定剤です。

本記事では、このポリグリップパウダー無添加の基本情報から、使用方法、価格を詳しく解説します。また、適正な使用量や使用上の注意点、保管方法など、実際の使用に役立つ情報もご紹介します。

ポリグリップパウダー無添加を正しく使用するための知識をまとめましたので、ぜひご覧ください。

本記事で学べる歯科知識
  • ポリグリップパウダーの特長
  • ポリグリップパウダーの正しい使い方
  • ポリグリップパウダーの価格
目次

ポリグリップパウダー無添加の基本情報

本項ではポリグリップパウダー無添加の基本的な情報を解説します。

粉末タイプの入れ歯安定剤の特長

ポリグリップパウダー無添加は、粉末タイプの入れ歯安定剤です。粉末タイプの入れ歯安定剤の一番の特長は、入れ歯の内面に安定剤を薄く均一に塗布できる点です。薄く均一に塗布することで、入れ歯の浮き上がりや入れ歯安定剤の過剰使用を防ぐことができます。

一方で、利便性にはデメリットがあります。粉末という特性上、入れ歯内面だけに振りかけることが難しいです。周囲に粉末が飛び散りますので、洗面所などで使用するのが現実的です。外出先で使用する際は、クリームタイプの入れ歯安定剤のほうが使いやすいでしょう。

クリームタイプの新ポリグリップシリーズについては下記の記事で解説しています。

主要成分とその働き

ポリグリップパウダー無添加は、以下の二種類の成分で構成されています。

  • ナトリウム/カルシウム・メトキシエチレン無水マレイン酸共重合体塩(粘着剤)
  • カルボキシメチルセルロース(粘着剤)

上記の二種類の成分は、唾液中の水分を吸収することで粘着力が生じ、入れ歯の安定に寄与します。

クリームタイプのポリグリップとは異なり、粘着剤のみが配合されています。クリームタイプでは粘着剤のほかに、クリーム状にするための基剤が含まれています。

無添加の具体的な意味

ポリグリップパウダー無添加における「無添加」とは、防腐剤、着色料、香料といった添加物を使用していないという意味です。さらにクリームタイプとは異なり、基剤も含まれていません。ポリグリップシリーズの中でも、純粋な粘着成分だけが配合された、最も無添加な製品です。

人体への安全性

ポリグリップパウダー無添加は、人体への影響が少ないと考えられています。ポリグリップパウダー無添加を使用した実験では、細胞毒性の少なさが評価されています。

ポリグリップパウダー無添加の添付文書には、以下の場合には使用を中止して歯科医師に相談するようにと記載されています。

  • 発疹、発赤、かゆみ、はれなどの症状が出現した場合
  • 継続的な下痢や便秘の症状が出現または増強した場合

ポリグリップパウダー無添加をはじめとする入れ歯安定剤は、管理医療機器に該当し、第三者機関によって検証された特別な製品です。通常の使用方法を遵守すれば大きな問題は起こりにくいと考えられます。

ポリグリップパウダー無添加 添付文書

Effects of denture adhesives and mouth moisturizers to human oral fibroblast and human keratinocyte cells using direct and indirect cell culture systems

ポリグリップパウダー無添加の使い方

ポリグリップパウダー無添加は、正しい使い方を守ることで最大の効果を発揮します。本項を参考に、効果的に入れ歯安定剤を使用しましょう。

使い方のステップガイド

ポリグリップパウダー無添加を効果的に使用するためには、以下のステップを守ることが重要です。

STEP
入れ歯と口腔内を清掃する

口腔内に水分が必要です。

STEP
ポリグリップパウダー無添加を振りかける

薄く均一に振りかけ、余分な粉末は軽くたたいて振り落とします。

STEP
入れ歯を装着して1分間かみこむ

粉末は口腔内の水分を吸って粘着力が生じます。

適正な使用量の目安

入れ歯安定剤は、使用量が多すぎると逆に使用感が悪くなることがあります。少量から使い始めることを意識しましょう。

ポリグリップパウダー無添加の使用量の目安としては、入れ歯全体に薄く均一に振りかけられる程度が適しています。振りかけすぎた粉末は、入れ歯を裏返して粉末をたたいて振り落とします。

乾燥した入れ歯に使用すると粉末が吸着しませんので、粉末を振りかける前に入れ歯を清掃し、水分が入れ歯表面に付いている状態にします。

効果を高める使用タイミング

入れ歯安定剤は30〜60分かけて、粘着力が強くなっていきます。食事などをする1時間前には塗布すると良いでしょう。

粉末タイプはクリームタイプと比べて、清掃性に優れています。食後には入れ歯を取り外し、入れ歯と口腔内の清掃を行いましょう。清掃後、再度ポリグリップパウダー無添加を振りかけます。

使用上の注意点とアドバイス

ポリグリップパウダー無添加を使用する際には、いくつかの注意点があります。

まず、粉末の使用量が多すぎると入れ歯が浮いたり、逆に安定しなかったりすることがあるため、適量を心がけましょう。また、入れ歯や口腔内に水分が少ないと、効果が十分に発揮されない場合があります。使用前には、入れ歯と口腔内を清掃し、水分を含んだ状態にしておきましょう。

使用後に清掃しやすいのも粉末タイプのメリットです。食後は入れ歯を取り外し、しっかりと清掃し、口腔内を清潔に保つようにします。

使用中に問題が発生した場合の対処法

ポリグリップパウダー無添加を使用中に問題が発生した場合、まずは使用を中断し、原因を確認することが重要です。しっかり入れ歯が洗浄されているか、粉末の量が適切かどうかをチェックします。

それでも解決しない場合は歯科医師に相談して、入れ歯の状態を確認してもらいましょう。

保存方法と使用期限

ポリグリップパウダー無添加は、湿気を避けて保管することが重要です。使用後は蓋をしっかり閉じ、直射日光を避けた、涼しく乾燥した場所に保管してください。

使用期限はありませんが、粉末が空気中の水分を吸い、粉末状ではなくなってしまったら使用を中止しましょう。使用期限の目安は約3年です。

ポリグリップパウダー無添加の価格

ポリグリップパウダー無添加の価格を調査しました。自分自身にあった購入法でポリグリップパウダー無添加を購入しましょう。

実店舗の価格

ポリグリップパウダー無添加の実店舗での価格は、地域や店舗によって若干の違いがありますが、約600円です。

クリームタイプの新ポリグリップはどこのドラッグストアにもありますが、ポリグリップパウダー無添加は取り扱いがないこともありますので注意が必要です。

通販サイトの価格

大手通販サイトのポリグリップパウダー無添加の販売価格を調べてみました。販売価格は送料を含めた最安値で、金額は令和7年1月21日時点のものです。

楽天市場

478円

Amazon

430円

Yahoo!ショッピング

528円

LOHACO

1,193円

公式サイトの価格

ポリグリップの公式サイトでは、販売していません。公式サイトにはAmazon、楽天市場24、LOHACOのリンクが掲載してあり、そちらから購入するシステムです。

価格比較

実店舗での直接購入は即時手に入るメリットがありますが、通販では商品を探さなくて良い点がメリットです。

スクロールできます
ドラッグストア楽天市場AmazonYahoo!ショッピングLOHACO公式サイト
価格約600円478円430円528円1,193円販売なし

まとめ

ポリグリップパウダー無添加は、安全で効果的な粉末タイプの入れ歯安定剤です。粘着剤のみが配合された、ポリグリップシリーズの中で最も「無添加」な製品です。

使い方のステップガイドを参考に、適正な使用量を守ることが大切です。使用するタイミングを工夫することで、入れ歯の安定性をさらに高めることができます。ただし、使用中に何らかの問題が発生した場合は、速やかに歯科医師に相談することが求められます。

ポリグリップパウダー無添加は公式サイトでは購入できませんので、ドラッグストアや通販サイトを利用して購入しましょう。

Q&A

「ポリグリップパウダー無添加」に関連する質問を集めました。

ポリグリップパウダーの販売中止の理由は何ですか?

ポリグリップパウダー無添加の販売は中止されていません。クリームタイプの一部製品では、販売が中止された過去があります。現時点ではポリグリップパウダー無添加も、クリームタイプの新ポリグリップも販売されています。

ポリグリップパウダーは亜鉛を含んでいますか?

亜鉛は含まれていません。粘着剤として、「ナトリウム/カルシウム・メトキシエチレン無水マレイン酸共重合体塩」と「カルボキシメチルセルロース」のみが配合されています。

ポリグリップパウダーはどのくらい使う?

入れ歯の内面に薄く均一に広がる程度の量を使用します。振りかけすぎた場合は、入れ歯を裏返し、余分な粉末をたたいて振り落とします。

ポリグリップパウダー無添加の使用期限は?

ポリグリップパウダー無添加には使用期限はありません。しかし、空気中の水分を吸着して固まってしまう性質があるため、粉末状態を維持できなくなった製品の使用は控えましょう。

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